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旅人の風景 旧青函連絡船函館桟橋

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2006年9月11日 12:00

五稜郭を発ち市電にて函館駅へ向かう。文字通り電車に揺られて。函館駅前電停で下車し、函館どつくの赤いクレーンのあるウォーターフロントへと歩く。
函館駅の裏、かつて青函連絡船が通っていたこの付近では今は記念館となっている摩周丸とクイーンズポートプラザがある。目指すはその2つのスポットのあいだから突き出る旧青函連絡船の函館桟橋(地図)。コンクリート打放しの桟橋に木を敷いたビュースポットになっている。

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ここからは主に函館山と函館どつくのクレーンの2つが見渡せる。とりわけ函館湾に突き出る桟橋、ひとつ海を隔てたところから見る函館のウォーターフロントとそれを護るように裏にそびえる函館山の景観は絶景なのだ。裏夜景という言葉があるように、函館山は山に登って景観を眺めることは言うまでもなく、どこから函館山を振り仰ぐかというもの1つの楽しみになっている。

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北海道函館市若松町 旧青函連絡船函館桟橋と摩周丸

16:00、一度宿に荷物を置いて再度この地を訪れる。出直しで今度は夕焼けから夜に変わるこの景色を見る所存。今回の3泊の旅で都合4度訪れているが、気づくとここに足が向いてしまう。ここは何度来ても飽きない場所。

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今は船が着かない桟橋。だが青函連絡船が就航を終えるまでは多くの旅人で賑わったはずの場所。北海道を目指して津軽海峡を越えた胸躍る旅人が、この景観に感嘆し、また郷里に戻ってきた函館人がこの故郷の景色を安堵をもって見つめたに違いない。という旅人の景色がここ旧青函連絡船の函館桟橋から見えるのだ。

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夕日に映えるベイサイド。そして、夕暮れて、少しずつベイサイドに光が灯っていく。ここからがこのスポットの一番美しい時間。ゆっくりと眺める。

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北へ旅するものは函館に着くとその感情の昂ぶりからさらに先に進まんと逸る気持ちを抑えられない。この僕も函館をはじめてゆっくり見たのは実に渡道6度目。それまではすべて通過点に過ぎなかった。
なぜそれまでに僕は函館に降り立って振り返ることができなかったのかと思う。もしこの地で振り返ることができたらこの桟橋からの美しい風景を見逃すことはなかっただろうに。

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日が暮れて函館の灯火。夜という幕を下ろしたベイエリア。八幡坂が見える。山頂ロープウェーが見える。ベイエリアの灯が見える。公会堂も見える。空と山の薄く美しい境界線。この桟橋で古の旅人を思うと、空から旅の天使が舞い降りてくるような気がする。
僕がここ数年ずっと捜し求めていた風景。それがこの地のこれだ。

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