- 2008/01/18 23:59
- 本

野ブタ。をプロデュース (河出文庫)
Powerd by AmazonLink 2.0.0 beta3.
![]()
ここのところ体調を崩していて、暇に任せてテレビを偶然見ていたところに、これの再放送をやっていたので見ました。ぼさーっと見ているとこれがかなり面白い。ちょうど1話から見ていたので、最後まで見てしまいました。ついでに、購入してから1年以上ほったらかしにしていた原作本もドラマに平行して購読しました。本作の持ち味はなんと言っても野ブタ(いじめられっこ)をプロデュースして人気者にするというこの設定。その展開を上手に利用して、原作では切れ味鋭く陰性に仕上げているのに対し、ドラマは陽性に仕上げていますね。まぁ、原作のまま作ったら大衆には受け入れられるはずがないといえばその通りなので、当たり前かなと。もともと彰なんていないし、野ブタは信子になっているし、いかにも大人の仕事という風情。基本的にクオリティの質が全く違うので、原作というより原案といっていいでしょうね。

野ブタ。をプロデュース DVD-BOX
Powerd by AmazonLink 2.0.0 beta3.
なにはともあれ、ドラマ自体はなかなかの出来栄え見栄え。全10話の前半戦は面白く、中盤から後半にかけてはじっくり味深くという印象で、しっかりテーマを持って、ポイントはしっかりじっくりていねいに作り上げている印象ですね。演出の岩本仁志と脚本の木皿泉のコンビは2005年に放送された本ドラマの直前の「女王の教室」も同じく手掛けていて、好評だった前ドラマの勢いをそのまま引き継いだのか、かなり質は良かったと思います。あれだけ盛り上げといて9話と10話がイマイチだったのが残念でしたね。あと妙に原作に忠実なところが上手く作れてたら完璧だったのではないかと思いますね。あれだけ原作崩しているのだから、最後までやってしまえばよかったのに。
野ブタら3人の様は、青年期に現れるといわれる「ピア・グループ(peer group)」といわれる現象ですね。親の依存から離れた青年期では、友人との関わりが重要といわれますが、そこでグループでは、互いを認め合い、また意見の違うところでは衝突したりと、人間関係のスキルを学んだり糧になったり鏡になったり。青年期の人格形成に必要とされるグループです。初めはいじめっこを伸し上げる契機で始まった3人の関係ですが、人気者になっていく野ブタはもちろん、その野ブタに感化され、学んでいく2人の様はまさにそれ。この大テーマを軸に良いドラマに仕上がっていたと思います。もちろん、実際あんなに上手くいくわけはないんですが、それでも非常に価値のあるドラマだったと思われ。
あと、恐らくドラマを見て原作を読んでいない大多数の方に、やはり原作をお勧めします。綿谷りさが受賞した文藝賞を受賞して、芥川賞候補作にもなった、秀逸な原作です。ドラマとは違う物語なので目新しさもありますし、ドラマを見た方ならこの物語のナイフのような切れ味にもきっと気づかれるかと思います。お勧めです。
コメント:0
トラックバック:0
- この記事のトラックバック URL
- http://www.helloalive.com/blog/867/trackback
- トラックバックの送信元リスト
- 野ブタ。をプロデュース/白岩玄 - 茜食堂 より