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沖縄文化論/岡本太郎


沖縄文化論―忘れられた日本 (中公文庫)

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シュルレアリスムの日本における代表的な芸術家岡本太郎氏の著作。「芸術は爆発だ!」のあの方が本?と思うんですが、これがけっこう読める。芸術家の視点からの叙述というのも、その視線の特異性というんでしょうかね。そこから描かれる沖縄への眼差しの高揚さがしっかりレリーフされていて面白い。そんなところから、また逆に芸術家岡本太郎の凄みを感じることが出来たり。この本は1972年、つまり沖縄が日本領になる年に刊行されています。つまり、岡本氏はその前から沖縄に注目していたわけですね。それに、その頃のものなのに、今でも普通に読めるんですよね。全然古さを感じません。むしろ新しいくらいで、そのあたりは彼の視点とともに、文章の巧みさすら感じます。
この本は2度読んだんです。最初に読んだのが、2004年の日本一周で沖縄に行った後。そして今回の旅をするにあたってもう一度。久高島について調べているときに、ふとこの本に記述があったことを思い出して。今回改めて読むと、最初に読んだときは気づかなかった沖縄のもっと根源的な存在感に触れた気がします。最初は青い海、やさしい雰囲気、だいたいそんなところですよね。私もそうだったんです。
岡本氏が日本というものを語るときに、意識していたのが辺境。辺境を見ることで日本を見る。本では五島列島や北海道、大島とともに沖縄を挙げていますね。沖縄は日本の原始思想が今なお残ると言及しています。その中で琉球信仰を取り上げていますね。日本の原始宗教は天照大御神だとか、そんなことでなく、むしろ神道や仏教に駆逐されてしまった土着の信仰について。すなわち自然や人が手におえないものに対する畏怖というんでしょうか。
岡本氏はその美を何もないことに求めています。ただの石や木が神々しいものになる。文明に嫌気がさす中で「私たちは美しいと思うものに、沖縄の人たちは当たり前と感じている。それが美しい」という旨の記述がありますが、まさにそれは今声高に語られる沖縄の魅力ですよね。そこにまさに芸術を極めた岡本氏の質の高さを感じます。琉球の創世神アマミキヨが降り立ったとされ、ニライカナイ思想にも繋がっている久高島。岡本氏はとりわけ久高島にそれを求めています。その魅力に触れたい、そう思わずにはいられませんね。
その他、八重山悲歌紀行など岡本流の沖縄文化論目白押し。ある意味で沖縄を旅する者にオススメする必携本とも言えそうです。

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