- 2009/01/09 23:59
- 本

森の生活〈上〉ウォールデン (岩波文庫)
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1995年初版。といってもこれは私が読んだ文庫本の初版で、大本は1854年にアメリカで出版された本。1854年といえば日本はまだ江戸時代、日米和親条約が締結された年です。黒船とかちょんまげの時代ですね。猛烈な時代背景です。このウォールデンの話が日本で読まれたのは1911年。以後10を超える翻訳本がでたとのことで、そのうち私が読んだのが飯田実氏訳のこちらの本です。
ヘンリー・デイヴィットソン・ソローはアメリカの経済学者の方とのことで、そのソローがコンコードという森で自給自足生活をした記録として出版したのが本作。あくまでジャンルは小説ということですが、ノンフィクション、いわゆる実話のお話としてソローは語っています。テーマは自然への眼差し。といっても単なる自然回帰ではなく、知性を振るう視点としての自然ですね。実践として自然に生活し、その記録から経済的価値や思想からの脱却を目指しています。概して言えば、高価なものに囲まれるよりも自然に学べというところ。崇高でもちろんむずかしい視点です。そして、そこから派生する旅の視点。都会的生活からの離脱ないし脱却がどうなしうるか、そんな知見もこの本から得られると思います。この本は結構旅人に知られている本で、私ももちろんそれでこの本を知りましたし、実際旅に持っていって読んでいるという人を見かけたことがあります。旅、特にキャンプ生活などをしていると、本当に生きることに必要なものと必要でないものが判ってきたりします。この辺りは確かに通ずるところがありますね。
小説という割には綺麗にインデックスされていて、ここらはいかにもアメリカ的です。そしてどうもこの実話を本当の話なのだと読者に見せることに腐心している傾向があります。前に「禅とオートバイ修理技術」というこれもアメリカ発の小説を読んだことがありますが、アメリカ小説というのはどうもこの辺で言い訳がましいですね。いかにも合理的思考がありようで、この辺りはちょっと読みにくい。実のところ、読んでいる側としては、正直話が実話だろうがそうでなかろうがどっちでもいいところがあるのですが、どうも気難しい感じです。読みにくいんですよね。おかげで相当時間がかかりました。文体もいかにも直訳ですという形で訳されていて。あまりに意訳だとその本の重要なエッセンスが抜けることもあるので、基本的に外国の本は直訳的な本を読むようにしているのですが、そこらの按配がむずかしいところです。

ウォールデン 森の生活
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