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scene 19-2 礼文

9月20日 北海道礼文町 晴

初の離島、礼文の旅。

13:00、礼文の市街地まで戻ってきて昼食。
香深の交番で道を訊き、「ちどり」という店に。そこでホッケのちゃんちゃん焼き(写真)を食す。
開きにしたほっけを炭火で焼き、味噌と長ネギを和えて食すというもの。この店のちゃんちゃん焼きは野菜をたくさん乗せないシンプルなものだ。ちゃんちゃん焼きとなるとその中身は鮭というイメージがあるが、地元ではほっけでちゃんちゃん焼きを作ることはそれほど珍しいことではないという。
切り身であるが、身に直接火を当てないので、ふっくらと仕上がる。最後は皮まで食べられると店主。美味である。

14:00、桃岩展望台地図)へ。展望台付近は季節が遇えば色とりどりの花が目に優しい、壮大な展望と花を愛でる遊歩道を兼ね備えているスポットだ。

今は秋。さすがに花は咲いていなかったが、遊歩道を歩いてみた。写真は香深港から出航したばかりの東日本海フェリー。

14:30、展望台を降りて元地方面へ向かう。元地の集落の手前にある桃台猫台という展望台へ。こちらは桃岩展望台よりは低い景観だが、海に面していて、先程より猫岩が近く見える。
島に背を向けた猫岩。ちょっと猫背で、いつも西の大海と大空を眺めている。

桃台猫台より北方面、元地漁港とその集落を眺める。断崖にへばりつく様に家々が立ち並んでいる。

こちらも桃台猫台より。断崖の下の赤い建物が、桃岩荘ユースホステル。「ミーティング」という古き良き伝統が残されている数少ないユースホステルだ。建物へ向かう道の途中に「宿泊者以外立ち入り禁止」の看板が立てられていて、桃岩荘ならではの威厳が感じられる。

桃台猫台からさらにおりて元地の海岸線へ。まだ荒々しい波がうちよせる海岸線に、佇む。

元地集落の一番奥にある地蔵岩地図)。この付近には何故か賽銭が投げられている。

15:45、島の南端、カランナイ岬(地図)で礼文の南にある利尻島・利尻岳を眺める。としているうちに帰りのフェリーの時刻ぎりぎりの時間になった。急いで踵を返し、香深港へ向かう。

16:00にフェリーターミナルへ。急いで乗船手続きを済まし、フェリーに乗り込む。ほっと安堵。
写真は礼文名物の見送りの風景。前述の桃岩荘の宿員が宿泊客を、声を枯らして歌を歌い、体全体で踊りを踊って、力いっぱいで見送っているのだ。彼らの歌と踊りはフェリーが離岸し、見えなくなるまで続けられるという。彼らは「見送り」では「いってらっしゃい」、お迎えには「おかえり」という。
そんな彼らを見つつ、礼文の旅は終わりを告げた。

稚内への帰路のフェリー。朝ほどの揺れはない。
フェリーの後部デッキからから、ゆっくりと離れていく礼文島の姿が見られる。そんな旅の旅情に輪をかけるように、夕日が沈む。ゆっくりと礼文島が暮れなずんでいく。
今日一日を思い出す。良い一日だったといえそうだ。これだけ長い旅をしていると、やはり良い一日と悪い一日がある。それは旅をしているからといって、普段の生活と変わるものではない。
もう一度一日を思い返す。国道がない離島。海に隔てられ、経済圏も行き届かない場所。だが、その分、自然美は傷つけられることなく残り、汚れない海からは美味しい雲丹やホッケが取れる。列島にはない独特の島の雰囲気。僕はそれを味わうように汚さないように、オートバイを今までになくゆっくり走らせた。
礼文は北限の言葉がとても似合う場所だ。「北の端」は稚内ではなく、ここ礼文だ。

日没を迎えると、先程までデッキから夕日を眺めていた人がみな室内へ戻っていき、デッキには誰も居なくなった。
取り残されたような感覚。そんな中で今までの旅を思い返してみる。
27日目の旅。北限の旅を終えて、ここからは全ての動きが南下へ向かう。今までは、今まで僕が住んできた地からずっと離れていくベクトルが、まったく正反対の方向へ向かうことになるのだ。それは、普通に考えれば当たり前のことであっても、旅に一ヶ月体を漬けていた者にとっては、人生における大きな一大事の出来事にも思えたのだ。
一大事。それを僕はフェリーの中で感じている。反駁する。一大事。目の前には誰も居ないデッキと椅子。聞こえるのはフェリーの動力音と波の音。

9月20日 北海道稚内市→礼文町→稚内市 102km
6:30 起床
6:50 出発
7:10 フェリーターミナル着
7:30 出航
9:30 香深港着
10:30 スコトン岬
10:40 トド島展望台
11:20 澄海岬
12:30 ウニ剥き体験

13:00 ちどりにて昼食
14:00 桃岩展望台
14:30 桃台猫台
16:00 香深港着
16:20 出航
18:20 稚内港着
19:00 宿へ戻る
19:30 銭湯
20:00 食事
23:00 就寝

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