- 2005/10/15 00:00
- 北海道・東北 2004
10月3日 晴 北海道余市町
6:00起床。国道沿いに建てられたデジタルの温度計を見ると8℃とある。2度寝をして改めて8:30に出発。積丹へ向かう。
国道229号は断崖と奇形奇岩の宝庫。大雨が降ると通行止になるような、断崖を縫うように進む楽しい道だ。ただ、近年は山を掘った安全なトンネルが多く作られていて、僕が行くたびに年々その数が増えている。道が見る見る変わっているのもここ積丹の特徴だ。
10:00、昨日と同じく再度浜婦美海岸へ。昨日落とした3万円を探しに来たのだが、さすがにこの大自然の中を探すのは困難。逆に往復1時間の獣道を歩くことで納得しようとしていた。浜婦美海岸に着いた時にはもう諦めがついて、1人この海岸でのんびり昼寝に耽ることにした。
浜婦美海岸には2つの番屋がある。付近には朽ち果てた船や漁具、網に着いているガラスの浮き玉が無造作に置かれている。もう誰の手も入ることのない海岸がここにある。
漁船を係留しておく桟橋。コンクリートは一部決壊して無残な姿だ。まだ足場が残っているところから海を覘くと、いくつかのウニを確認することができた。
13:00、浜婦美をようやく引き上げて、これも昨日は見れなかった島武意海岸へ。平成8年の海の日制定時に編纂された「日本の渚百選」に登録された海岸である。
14:00、日司の中村屋で生えび丼を食す。
海産物の宝庫の積丹では漁師直営の店が多く、採れたての新鮮な食材を提供してくれるとても貴重な存在。勿論、中村屋もその一つ。積丹といえばうにが有名だが、今は旬を外している。そこでエビにすることにした。今までこれだけ一度にエビを食べたことはなかったが、美味しいから食べることができる。
15:00、食事を終えて神威岬(地図)へ向かった。
国道229号から神威岬へと向かう坂道を登ると、一気に視界が開けて太陽の光を浴びる。断崖の多い積丹で午後の時間帯に西陽を受けることができるのはここ神威岬だけ。しかも、神威岬一面の草々がすっかり枯れ果てて荒野の様。途端に別世界へ連れて来られた錯覚に陥る。ここ最近のうわの空だった僕の頭と心が、少ししゃきっとした。
神威岬より南方方面、タコ岩などを望む。神威岬は半島の突端から鋭く突出している。だからこそ、このように半島を反対側から見ることができる。
また、この付近の海はシャコタンブルーと言われる綺麗な海で、太陽の高い時間であれば、美しい濃蒼の海を見ることができる。
時間を忘れて岬だけを見る。
神威岬は源義経を慕い恋叶わなかった乙女が身を投げたことで、その怨念が女性を乗せた船を転覆させるという悲恋伝説がある。それゆえにかつての神威岬は女人禁制であった。伝説の真偽はともかく、この美しい断崖の地は神の力が及ぶ神聖なる地として言い伝えられてきた。
岬の景観に見とれていたら、日没までに岬の突端まで行こうとしていたのだが、間に合わなくなってしまった。チャレンカの小径の途中で日没を迎える。
突端までの道の途中で振り返る。どこだ、ここはと問いかけたくなる。
太陽はあっという間に姿を消して、岬の突端に着いた頃にはもう灯台に灯が入っていた。
岬の突端には夕日を眺め終わった人々が帰ってしまい、誰も人はいなくなった。大地は赤一色に染まっている。
空は、まだ充分に光を充てられている。雲は夕日の赤に染められているものともう光を失ってしまったものに分けらている。そんな空のグラデーション。海の上に迫出した断崖の突端から見えるものはすべて人の手が入っていないもの。
仮に、人間を超越した何かの存在がこの世にあって、この存在が今ここにこういう情景を示しているといったら、僕は決してその存在のことを疑わないだろう。
そんな奇蹟的な情景もゆくゆくと色を濃く深く変えていき、光を失っていく。ショーの終わり。最後に見せた光がもう帰れと僕に訊かしているようだ。圧倒された。
僕は、この海と空の前でこのあてのない旅を終わらすときが来たのだと確信した。ここ最近のうわの空だった感情が、僕の中で重なり合わなかった幾つかの感情がピタリと軌道を一つにした。旅から40日目、移動距離はもう6000kmを越えた日の夕景だった。
10月3日 曇→晴 北海道余市町・積丹町 110km
6:00 起床 2度寝
8:30 出発
9:30 浜婦美海岸
13:00 島武意海岸
14:00 中村屋にて昼食
15:00 神威岬
18:00 神威岬発
19:00 宿に戻る
19:30 おかもとにて夕食
21:00 余市川温泉
22:00 酒宴
1:00 就寝
余市観光協会道の駅 スペースあっぷる余市
積丹観光web site
リフォレ積丹YH-積丹情報充実
積丹半島風景館
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