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風のガーデン

風のガーデン DVD-BOX

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こちら見ておりました。
脚本家倉本聡氏の「北海道・富良野三部作」の最終章という位置付け。主演は中井貴一。その他黒木メイサ、神木隆之介、伊藤蘭、奥田映二、国仲涼子、石田えり、ふせえり。それに、ガッツ石松、森上千絵、布施博、大滝秀治などそれまでの倉本ドラマの名脇役も登場。ゲスト出演でも田中哲司、木内みどり、平泉成、中村晴日、利重剛、須藤理沙など結構揃っていますね。平原綾香は歌手役として主題歌も担当。タレントもともかく制作陣も自身で映画を撮る宮本理江子が演出、音楽はDr.コトー診療所や篤姫メインテーマを手掛けた吉俣良が担当するなど充実しています。緒方拳に関してはドラマ放送開始直前にお亡くなりになり、遺作としての放送ともあいなりました。主題歌の「ノクターン/カンパニュラの恋」もショパンの遺作である夜想曲ハ短調(ハ短調!)のアレンジということで、物語における根幹の主人公の死を意識したものだと思われますが、期せずしてレクイエムとなり。

ルイと風のガーデン

ルイと風のガーデン

ターミナルケアと呼ばれる末期がんの緩和医療を題材に人と家族を描いた物語。初回の時点で、ああこれは中井貴一は最終回で死ぬな、と分かる展開なのですが、その結末がわかっていながら、そこからじっくりと物語を進めて見せるところはさすが名立たる倉本ドラマ。ウマイなと思わせました。
特に私が着目していたのは冗談の使い方と言えばいいですかね、嘘の結婚式を挙げるところなど。こういうのはいわゆる良かれとついた嘘で悪い嘘ではないとされますが、ふと私たちの生活を省みると、はなす言葉の中にどれだけ本当のことをしゃべり、どれだけ冗談があるのか。ほとんどの方が後者のほうが多いんではないでしょうか。そんなことを考えているときに小田和正のオフコース「言葉にできない」の歌を思い出しました。うれしい時にひたすら「言葉にできない」と繰り返すあの歌です。始めてあの歌を聴いた時はちょっとずるいなと思ったんですが、冗談がおおいってのは、言葉にできない、もしくはしてはいけないなどの大切な感情があるということですよね。人は一つの真実以外はすべて嘘を語るなんて話を聞いたことがありますが、はじめて人の本当のものを理解する瞬間とは逆にその嘘や冗談のときにあるのかなと思いますね。こういう美学もあるんですよね。主人公は初回からひたすら冗談を振りまいています。過ちに血塗られ苦しみながらも冗談に巻き込む姿。さすがでございます。
もちろん、冗談が美学なら逆に伝えたいことは言葉にして伝えること、しっかり口にすることが相手に心を開くこと、これも真なりです。重要なのは伝えることで、冗談で済ましてしまうことは、相手との兼ね合いではただ口を開けて餌を待っているだけだととられても仕方がないことになります。いずれにしても相手の頭の中は分からないものですから、重要なのは自分の世界観のありかたで、良し悪しでもなく、どちらの形をとるにしてもあとは按排と性向の問題。ごり押しすることが苦手は人ってのはこのドラマが楽しく見れた方ではないですかね。これも勿論美学ですよ。
いずれにしても私たちが生きる上での重要なことを語っていたわけです。

そして、当然語るべきロケ地富良野の素晴らしさ。倉本作品と言えば、当然富良野の自然。倉本さんはリアリティ追及の方だそうで、風のシーンがほしければ風が吹くまで撮影せずずっと待つ、雪が降るまで待つのだそうで、やっている方はなかなか大変だそう。でもやっぱりいいですね。今回はガーデンも一つの主役で季節的には春から秋のシーンがメインでしたがやはり映えますね。「北の国から」シリーズ、「優しい時間」と続いた北海道も仕事もとりあえずこれで打ち切りとのことで、愛好していた者としてはちょっと残念です。やはり北海道の景色と言えば倉本ドラマでしたからね。

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