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ユリイカ EUREKA


EUREKA ユリイカ [DVD]

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2000年。青山真治監督北九州サーガ第2作。出演は役所広司、宮崎あおい、宮崎将、斉藤陽一郎、光石研、椎名英姫などなど。
なんとこちらの映画、3時間37分という長尺。最近の映画に慣れている人には途中どうしても長ったらしいと感じられるでしょうね。監督は長回しが好みで伝えたいことをちゃんと最後まで描ききったらこんな長い時間になった、というところでしょうか。確かに長いです。辛抱の部分はありますが、ただ長いのとは訳が違って、無駄な部分があるわけではないんですね。当然、長回しで生きる空気感がこの映画の重要なところで、とりあえず良し。


ユリイカ (角川文庫)

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さてこのユリイカ、再生がテーマ。バスジャックの運転手と子供2人が他が殺される中で生き残る。普通の生活を送っていた3人がそのバスジャックを機に生活を精神を破壊されて、そこからの再生を図ろうとする。とりわけ北九州サーガの第1編「Helpless」が破壊的性格と変わらないという世界観を持っているに対して、こちらではそれを再生するということになります。今回のユリイカは北九州サーガとしては第1編と対比的な形になっているんですね。
とりわけ主人公の役所さんが演じるのは寛容的であって逃避的である。それが「人のために生きる」ことを望んでいく大きな所作。宮崎兄が犯した過ちを諭していくところも前回との大きな差ですね。前回の「helpless=救われない」から「EUREKA=発見」という言葉の意味からもそこらがよく汲み取れます。


ユリイカ

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そうそう、タイトルのRUREKAは、Jim O’Rourke、ジム・オルークの同名の曲から着想しているそうです。この曲は映画の最後のほうに、主人公の沢井がおもむろに付けたラジオから流れてくる曲ですね。ちなみにですがこのEUREKAの曲は映画では主題歌という扱いではなく、偶発的に流れているようにしているように、サウンドトラックには収録されていません。
物語はしっかり辻褄を合わせて、それをしっかり映像で語る。ラストの「彩色」ですが、あの試みは決してこの映画が最初って訳ではないんですがね、それでもあの劇的変化にどれだけ物語が集約されていて、そしてどれだけ救いがあることか。役所さんこと沢井が奥さんと別れるときにふと出る一言とかも、素晴らしきタイミングと展開です。秋彦をバスから降ろすところもいいですね。バスでの旅。彼はEUREKAというバスには最後まで乗れなかったんですね。そして阿蘇の大観峰のラスト。とてもいいです。言うことないですね。

人物のキャラも立っていて、そこもとてもいいですよね。そうそう秋彦。宮崎あおいも今やトップ女優ですが本当にいい映画に出演できたと思います。ここがスタートでしたね。
ただ惜しむらくは音楽ですね。でも逆に言えばあれだけ音楽がならない状況で見せられる演技力、構成と映像。すばらしい。見事な完成度です。それでいて普遍的。映画があまり飲み込めなかったという方、監督自身がノベライズした本をお勧め。制作直後に書き下ろしたというこちらの本、これがまた素晴らしい。かなりいけます。物語を補完的に見るにもいいですね。実は私が青山作品に出会ったのはこの本が最初だったんです。

評価 ★★★★★

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