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戦場のメリークリスマス


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1983年。大島渚監督の作品。1942年のジャワ島にある捕虜収容所でのお話。原作者は英国人で、実体験に基づいたストーリーとのこと。戦争映画ですが、いわゆる戦闘シーンはなく、収容所の中での視点ですべて描かれている作品ですね。それでいながらその外側、戦況や戦争そのものもしっかりと見え隠れしている、非常に秀逸な映画であると思います。出演はビートたけしと坂本龍一。撮影当時どちらもまだ映画には携わっていない両名でしたが、これを機にたけしは映画製作、一方坂本龍一は本作でも手掛けた映画音楽が大ヒットとなるわけです。


戦場のメリー・クリスマス

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主軸は日本と英国、東洋と西洋の思想、宗教概念。そこに非常に旨味があります。その対立項に囚われることなく、皇国主義の日本、エリート主義の英国などを明確に描いていますね。そして、そこから導き出される友愛の展開、お見事だと思います。「みんな正しくない」「みんな人間だ」というセリフもそこから非常に重みを持ちますよね。自分(たち)が正しい、と思っている日本人。その正しさを保持するためなら邪魔なものは消す。端的ではありますが、やはりこの思想はばかげている。もちろん、戦争の結果を知っていつつ私たちはこの映画を観るわけですが、これを過去の出来事と葬り去ることが出来ないはず。1942年にも、そしてこの映画が出来た1983年に、そして今にも充分通じる私たちが陥ってならない警鐘の金が鳴っていることを感じ取ることが出来ます。白旗を揚げている人間に対して、拳銃をぶっ放す。日本でよく見る光景です。一番愚かしいのはその自分が正しいと思っていることに気づきすらしないこと。

セリフといえばラストの「メリークリスマス、ローレンス」も非常に秀逸ですね。このセリフは2度使われますね。1942年のローレンスを達を庇うところで、酒を飲みながら鬼軍曹が「メリークリスマス」と叫ぶ。そしてヨノイ大尉が戦士に抱擁を受け卒倒し、ヨノイが神社にセリアズの髪を奉ろうとする。そして1946年に、今度は立場が変わって、改めてたけしが「メリークリスマス」。この立場の変容の設定が秀逸。負の立場からのヒロイックな英国人、正という立場を背負う日本人の立場。そしてその立場の逆転。ローレンスがいった「勝利が空しくなる」というセリフ(これも痺れるセリフですね)を受けても、それは単なる立場の変換に過ぎないという見方も出来ますが、私はこの順序が改めて意義深く感じられます。正しいと思っている人間は負けなければ自分を変えられないと思うし、正しい人間は正しくないと思っている人間に負けるものだと思うからです。日本人の負けは必然だったと。そして、あのたけしのラストシーン。あの笑みは光明です。日本人のみならず、この映画を観た人がきっと救われる、ラストシーンだったと思います。今のように日本にクリスマスなどない時代。戦時思想に加え、日本には儒教思想があり、ヨノイの例からも、外国人の髪を神社に祭ることなど考えられません。これは救いです。
戦争という極限的な舞台設定もばっちり。
非常に観念的でそこが鼻につくかもしれませんが、いいですね。いい映画に出会いました。幸せです。

評価 ★★★★★

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都内某所にて

さてさて、クリスマスですね。私はここ3日ほど都内某所に詰め込みで、本日開放されました。その開放感で一杯です。その某所にあるクリスマスツリーをMerry Christmas Mr.Lawrenceを聞きながら見て、非常にいい雰囲気。皆さんはいかがお過ごしですか。

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