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愛の流刑地


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2006年。渡辺淳一の原作小説を映画化。出演は豊川悦司と寺島しのぶ。監督の鶴橋康夫氏は元はテレビドラマの方で、映画は今回が初メガホンのようですね。ドラマ版の「天国と地獄」とか「天国への階段」など手掛けていたようですね。
さて本作は不倫の果てに愛人を殺してしまう物語。原作は日本経済新聞に連載された時点で話題となって、サラリーマンやOLの読者に「愛ルケ」現象を巻き起こした話題作。その現象の中身はというと過激な性描写であったという顚末。その原作に倣って冒頭から見事なシーンが目白押しのこの映画には当然のようにR-15指定が付いていますね。となれば当然思い出されるのが、同じく渡辺淳一原作の「失楽園」。その失楽園は最後に服毒自殺するんですが、話の途中で行為の最中に殺されるのが最高のエクスタシーのような件がありましたね。今回はその件をそのまま話を拡大発展させたというようなところでしょうか。
ともあれ、映画の出来自体は良かったと思います。法廷闘争を中心にした、といってもいわゆる息を呑む法廷闘争ではなくて法廷で愛を裁くというやりかたがですね。当然、というか恐らく、法廷で愛を裁くなんてことは実際ないんでしょうが、この視点は秀逸だろうと思います。見応えありました。愛ルケ論争の中心は、不倫の末の殺人という家庭崩壊などに対する毛嫌いや嫌悪感が多くを占めていると思われますが、むしろそこが作者の思うツボなわけです。物語なんだからと線が引けないところがむしろ巻き込まれているわけです。そもそも不倫が正しいっていってるわけじゃないですか。

ま、そんなことはいいとして。渡辺淳一氏といえば北海道出身の作家で、北海道が好きな私は北海道を舞台にしている小説を一時期探していて、いつくか著書を読ませてもらっています。彼の作品はとにかく性描写の濃い作品に当ります。いろいろとすごいのですが、それでも文体は美しくて、スポーツ紙などで書かれている官能小説とは一線を画しています。本作は読んでいないのですが、そんな彼の独特の物語に映画の製作が上手く適ったような、個性と創造性溢れるよく出来た映画だと思いますね。全体の統一感、空気感もある。歌もいいですよね。平井謙。
この映画は2007年1月に公開して、3月にはドラマ化。日本テレビの見事な連携ぶりだった企画なのですが、そのドラマも拝見しました。ドラマのほうは岸谷五朗、高岡早紀のコンビ。キャスティングとしてはドラマのほうが好みなのですが、映画のほうは演技力がすごかったですね。豊川悦司は最近いろいろな役してますが、やはりシリアスが似合います。それにしても長谷川京子さんはどうしてあんなにセクシーでがんばろうとしているのでしょうか。

評価 ★★★★☆

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