- 2008/12/29 23:59
- 映画

歓喜の歌 [DVD]
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2007年。落語家立川志の輔の同名落語を原作に松岡錠司が映画化。監督の映画は初めてなのですが、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」や「バタアシ金魚」など作っていらっしゃる方だとか。主演は小林薫。わたしの知る限りでは映画主演は「風の歌を聴け(1981年)」以来の主演。共演の安田成美はそれこそ久々に見ました。何でも6年ぶりの映画出演だったとか。その他伊藤淳史、由紀さおり、田中哲司、浅田美代子、根岸季衣、藤田弓子、光石研、筒井道隆、片桐はいりなど、端役にも原作者の立川志の輔に立川談志、リリー・フランキーに斎藤洋介、塩見三省、笹野高史、さらに由紀姉妹の姉安田祥子までも。いろいろと髣髴させてくれますね。
物語はキャバレーに借金を作ったり、仕事のミスを部下に押し付けたりするという駄目中年が一念発起して人のためひたすらに努力する人情喜劇物語。人の滑稽さやその心情描写のユーモラスさからの感動に繋がる展開は落語噺の真骨頂ですよね。その物語の起こりがコーラス部のダブルブッキングで、そのコーラス部の肝っ玉かーちゃんが作った餃子を切っ掛けに、ですね。
最近はいろいろな原作の映画ができていますが、落語をそのまま原作にしたというのはめずらしいですかね。全体的にはそのいわゆる落語的なお話を映像に起こすという一連での良し悪しともでたかなとも思います。良かったのはやはり最後の仕立て屋の小林薫、浅田美代子、筒井康隆3人のやり取りの場面。テンポ良く交わされる会話の中に3人ともの心情が良く現れていてとても感情移入ができます。ああいう場面は落語の得意分野だなと感心。ですがそれ以外に妙に間延びするシーンがいくつかあったり。映画としてもちょっと残念だったのがコンサートのシーン。ちょっと軽々しく、あくまでメインが人情喜劇にあるとしてもこういうシーンをとても大事に作っている映画がさんざん作られているこのご時世ではちょっと残念でしたね。まぁ、それでも見ててそんなに悪い気がしないのがこの映画。そう思わせるのがまさに人情喜劇なんでしょうね。日本に文学という物語が入ってくるのは明治以後。それまではいわゆる浄瑠璃や落語が日本の物語の主流だったわけですよね。その中でも好まれた人情喜劇。これが日本人の気質、そして本質なのかもしれません。そんな物語な訳ですね。
そして歓喜の歌、といえばよく年末に耳にする第9ことベートヴェン作曲の交響曲第9番第4楽章。シラーの詩「歓喜に寄す」の歌ですね。いわゆる祝典に使われることが多いこの曲ですが、大晦日にあれだけ大袈裟に第9を演奏するのは日本だけなんです。この大晦日の風物詩は日本特有なんですよね。海外では編成が大変なのであまりやらないそうです。祝い事だから大きく、といういわゆる日本人が持つ楽天さ。そんな大晦日の習慣を作っているのかもしれません。これも日本人的、ということですかね。
評価 ★★★☆☆
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