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博士の愛した数式


博士の愛した数式 [DVD]

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2005年。「半落ち」のアカデミー俳優寺尾聰主演。そこに深津絵里と吉岡秀隆と浅丘ルリ子が脇を固めるという4人で鉄板の豪華布陣です。もう充分ですね、といってもあとは子役くらいで物語はすべて成立するんですが。監督は小泉堯史、お初にお目にかかりました。
映画を見ている間は、関心と感動の連続でした。関心とは数学への眼差しですね。28という数字を美しいという。素数を個性という。そんなこと考えたこともありませんでした。とりわけ文系肌の私は数字はただの羅列であり、どちらかというと忌み嫌うものでした。数字とその眼差しから導かれる愛の言葉の数々。語られる度にそのまま染み入り感を動かされた次第です。
人の感情や社会には数学的な考え方は必要なんですよね。それは、貯金をいくらにして老後に蓄えるという数字の積み重ねではなくて、生きるのに必要ということ。そういう数学が生きがいの人はいくらでも積み重ねてください。数は無限にありますから。
脱線。例えば、比や比例。あの人より頭がいい。あいつよりは数倍いい生き方をしている。3つの林檎をどう平等に分けるか、それともどう全部せしめるか。そう定義付けることで人との間を見極めて、そうして上を目指す。その先にはナンバーワンなのかどうか判りませんが、映画では博士の愛した公式が表される。もちろんオンリーワンでもありませんでしたね。その博士の公式は非常に微笑ましく、素敵な数学でした。それは、1を足すとゼロになる公式。少なくとも私はありきたりに感じる、1つ1つの積み重ねではなくて。すべては忘れてしまう=無になるわけですから。ホント、高校のとき代数幾何でクラスで1番取ったときの何十倍も感動しましたよ。
とにかく原作ありき、読んでいないんですが、その原作の物語がすべてといっていい映画。その魅力をしっかりと出し切ったことに共感。見事な演技力もいいですよね。とりわけ寺尾聰の語り口は染み入ります。教授の語りがすべてといっていい映画ですから、見事演じきったことがこの映画の一番の味です。私はギリシャ哲学の中でプロタゴラスの言葉が一番納得できなかったのですが、数学を基に人生を語る教授は現代のプロタゴラスかと思いました。ちょっと面白かったのは吉岡秀隆の子ども時代という話を聞いて、恐らく「純君」を探したんだろうな、と。純君そのままの子役が出てきたことが素敵。深津絵里ってのはいつでもどこでも深津絵里なんですね。
最後にロケ地。最初は北海道かどこかかなと思っていたんですが、長野なんですね。とりわけ上田あたりで撮っているとのこと。上田は私の田舎です。博士の家は静岡の文化財なんだとか。ちょっと行ってみたい綺麗な洋館でした。あと、これは原作を読まなければいけませんね。そういえば昔々に薦められた記憶があったような。

評価 ★★★★★

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