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梟の城


梟の城(ふくろうのしろ) [DVD]

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1999年。名立たる歴史小説家司馬遼太郎の直木賞受賞小説を原作に。それを瀬戸内少年野球団の篠田正浩監督が映画化。作者の没後の映画化ということで、冒頭に司馬遼太郎に捧ぐとありました。主演中井貴一。その他上川隆也、鶴田真由、葉月里緒菜、根津甚八、火野正平、筧利夫、中尾彬など渋い方々が揃っています。葉月里緒菜さんは今は葉月里緒奈さんなのだそうです。この方、さほど長くはなかったですが、一時期は絶頂的に人気ありましたよね。いろいろあって姿見せなくなりましたが。ナレーションは中村敦夫。

舞台は戦国時代。織田信長に滅ぼされた伊賀忍者の生き残りが豊臣秀吉の暗殺を企てる顚末のお話。綿密な歴史考察から描くイメージが強い司馬氏ですが、こちらのお話はかなりフィクション性が強い仕上がり。司馬作品の中では異色なのだそうですね。とはいえ史実にフィクションを加えるというのはここのところのトレンドですから、1959年にこの本を書かれた先見性は認めるところ。いずれにせよやはりスゴイなと。
こちらの映画は、特に原作ファンの方に不評だったようですが、原作を読んでいない私としては、司馬さんの言わんとするところがよく分かって楽しませてもらいました。ハイライトは主人公と秀吉が寝室で問答するところで、あそこに司馬節というか多くの司馬作品に通じる歴史観と世界観がしっかりと描かれていてかなり満足でした。そういったところではかなり原作に忠実に作られたという触れ込みは納得するところ。原作アリの映画では確かに原作ファンをがっかりさせることが多々ありますが、やはり基本は別々のものと心得ることが良いのではないかと。当然原作ファンも新規客も両方感動させる映画もありますし、この映画がそこまでの出来ではないとも言えるわけですがね。重要人物があっさり死んでしまう中盤は少し物足りなさも感じたことは事実でした。それでも、やはり司馬さんの力強い主張だけでもこの映画はスバらしいですね。ナレーションの中村敦夫さんも良くて、特に冒頭の語りが、あたかも司馬さんの小説を読んでいるような気分にさせてくれて良かったです。主演の中井貴一も好きな俳優さんで、説得力のある物語にこれらの役者が揃っただけでも見た甲斐があるというものです。

評価 ★★★★☆

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