- 2009/05/03 17:39
- 映画

阿弥陀堂だより 特別版 [DVD]
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2002年。「雨あがる」「博士の愛した数式」の小泉堯史監督作品。原作は南木佳士の同名小説。第100回の芥川賞をとったお方だそうです。出演はすっかり小泉映画といえばの、寺尾聰。言わずと知れた名優。その他樋口可南子、田村高廣、吉岡秀隆、小西真奈美、北林谷栄。よくも引っ張ることが出来たなと思うのが北林谷栄さん。あまりに達者な古参中の古参。どこかでみたことがあるなと思ったら、黄泉がえりに出ていましたね。樋口可南子ってのは、なんか最近よく見ますが、10年ぶりくらいの映画出演だったそうで。確かヘアヌード写真集出しましたよね。あと不倫とか。いろいろあるんですね。小西真奈美はこの映画で日本アカデミー新人賞だったとか。大人の力って怖いです。なんでもしゃべれない役だそうで、ご安心ください。
物語のテーマは死生観。それを主人公夫婦が故郷である長野の山里に移住し、その山里の人々の交流から描き出すという展開。私がのこの映画のよいなというところは、構成ですね。この映画は主人公夫婦が移住してからの1年を通しての物語になっていますが、当然なんですが1年を通すお話というのはそのまま元に戻るわけでとても難しいと思うんですね。物語はラストに向けて展開していくもの。それが元に戻るんです。元鞘に収まってしまうというわけです。波形のグラフなどを思い出しくれるといいんですが、波が盛り上がって、元に戻る物語というのは盛り上げたあとに波が戻るのですから、これは難しい。ただ戻すだけなら簡単ですよ。それを自然にすることが難しいんです。それがこの映画では出来ていて良かったですね。特に寺尾聰の演技。溶け込んでいました。ロケ地は長野県の飯山市というところで、実際の日本の棚田100選に選ばれている福島棚田のある地域を中心に撮影したとのこと。本当に1年掛けて撮影したとあって非常にいい味が出ています。唯一のオープンセットとして阿弥陀堂を作っただけで、あとは全部そのまま原風景ということ。1年という時間がそのまま写されたような映像はとてもいいです。妻の挫折と回復、手術の成功など題材としては目新しくありませんが、よくここまで作り上げたという印象ですね。
惜しいと思うのが、2人の共演の演技。これだけナチュラルな映画で、何をそんなに力んでいるのかと首を傾げたくなる樋口可南子。久々の映画だったからですかね。意図はわかるけど、大袈裟すぎ。映画に合わないというか。小西真奈美は見るにとても綺麗な方だとは思います。
物語自体(死生観)にまだ共感を得られないというのなどなどで、下の評価になりますが、見る方によっては最高の映画の一つになる価値が充分に備わっている映画だと思います。
評価 ★★★☆☆