ホーム > 映画 > 壬生義士伝

壬生義士伝


壬生義士伝 [DVD]

Powerd by AmazonLink 2.0.0 beta3.


2002年。人気作家浅田次郎の小説を滝田洋二郎監督が映画化した時代劇。浅田次郎といえば「天国までの百マイル」やら「地下鉄に乗って」などでお目にかかっていますが、そんな2作のアンニュイさからすると時代小説のこれは異色といえば異色。監督の滝田氏はお目にかかったことがないなと調べてみると、「秘密」って映画で1本見ていました。そのときはほとんど印象に残っておりません。過去は、痴漢電車シリーズを手掛けていたようですね。苦労人なのでしょうか。出演は中井貴一、佐藤浩市が軸。思えば鉄板ですね。その他村田雄浩、塩見省三、夏川結衣、堺雅人、加瀬亮、伊藤淳史、三宅裕司など。

物語は幕末。新撰組に入った盛岡出身の下級武士の幕末のお話。飢饉などの生活苦から藩校の職を辞めて脱藩した武士が主人公。今で言う出稼ぎってやつですかね。といっても今の時代とは訳が違う幕末の戦乱の渦中でのお話。主人公の吉村貫一郎は本当に新撰組にいた実在の人物なのだとのこと。ただ物語のほうはかなり脚色されているようで、浅田氏は作家子母澤寛の創作を基にこの小説を書いたということ。2人の作家の手に渡って描かれた志士の物語ということですね。三宅扮する大野次郎右衛門は架空の人物だということです。

さて、2003年の日本アカデミー賞の作品賞・主演男優賞(中井貴一)、助演男優賞(佐藤浩市)と輝いた本作。日本アカデミー賞というと、いかにも日本人が好きな作品が賞をもらう傾向がありますが、本作も類にもれずその傾向。ですが、全体の出来がすばらしいです。導入から主人公の人とがらがよく出ていますし、隣人愛、家族愛、郷土愛、それに人としての志を余すことなく伝える中盤もよし、そしてそれらすべてをしっかり収斂させる最後の切腹。テーマと世界観も一致していて最後までぶれることはありませんでした。俳優陣も圧巻。完成している映画ですね。しかもただ完成しているのではなくて、美しく完成している。そんなに時代劇の映画を数多く見ているわけではないんですが、今まで見た中ではトップランク。非の付けるところはありません。人の琴線に触れる浅田節(私が勝手にこう呼んでいます)も、それとなく作品に入り込んでいましたし、とてもよかったと思います。プロローグとエピローグの病院の場面がありましたが、原作にある場面か読んでいないので知らないんですが、吉村の子孫たちが、あそこから満州に向かうというのも、物語を綺麗に形付けていますよね。あのあとに満州に起こる出来事を考えると、なんとも宿命禍というものを感じずに入られません。私も思わず感動してみていました。こういう物語に感動するのはやはり自分も日本人なのかなと思います。こういうのがアメリカ人に受けるとは思わないですからね。
余談ですが、壬生ってのはこの映画を見るまで栃木の壬生だと思っていました。へー、新撰組って栃木で出来たんだ、って。そんなわけあるはずもないんですがね。京都に壬生って場所があるんですね。

評価 ★★★★★

コメント:0

コメントフォーム
入力した情報を記憶する

トラックバック:0

この記事のトラックバック URL
http://www.helloalive.com/blog/226/trackback
トラックバックの送信元リスト
壬生義士伝 - 茜食堂 より

ホーム > 映画 > 壬生義士伝

検索
フィード
メタ情報