- 2009/08/12 22:02
- 映画

さよならみどりちゃん [DVD]
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2004年。南Q太原作コミックを古厩智之監督が映画化。そもそものもとネタは80年代に流行った歌の歌詞をストーリーを使って作ったTBSのドラマで「恋する日曜日」というのがあって、そのシリーズの映画版という位置付けのようです。この映画に関しては松任谷由美の「14番目の月」の歌詞から物語を作ったということですね。なるほど最後にカラオケしたり、エンドロールにわざわざルビを振ったということですね。いかにもテレビ局の企画モノという感じですが、この映画はナント三大陸映画祭という海外映画祭に出品してしかも準グランプリを獲得しているんですよね。確かに本格派と言えば本格派かと。主演は星野真理。こちらは同映画祭で主演女優賞を獲得。最近バラエティでよく見かけるようになりましたが、演技させるとそのギャップがすごいですね。なかなか演技派。その他西島秀俊、岩佐真悠子、佐々木すみ江、中村愛美、小山田サユリなど出演。
主演の星野真理はいうまでもなく、西島秀俊とも役に忠実ないい演技。映画の作りもよく、全体に雰囲気やギャラクターの反映、音楽の鳴り方も映画というハコものはとても満足のいくものでした。なのですが、その映画の肝心要である物語が最悪です。映画は前半はそのいいハコでいい展開を見せているのですが、後半からその物語がすべてぶち壊してしまいました。彼氏が他の女の寝て、それを知って行きずりの男についていき、彼氏の後輩と寝る。それをお互いに告白してそれでもあなたが好き、「わたしと付き合ったよ」。例えお互いいいたいことを言い合える仲だとして、そんな2人に導かれる結論はただ一つじゃないですか。その別れが冗談だったかなんだというのでしょうか。最悪です。
何が最悪かって、その女性をして序盤の岩佐のせりふにあったように「いい人ですね」と、正当性をもってその浮気振りを発揮するところ。実際に魅力ある女性だったのが物語が進むにつれてますます魅力を失う主人公。これが女性のリアルで現実で「こういうことあったあった」と共感を呼ぶのでしょうか。いくつか西島の葛藤の場面もありましたが、もしこの物語がその共感を得るための映画なら全く無意味ですね。もしこれが現実的な恋愛だとしたら、そもそも好きなら尽くせば振り向いてくれるということは映画で彼女が男にキャバレーに勤めろといわれて、そうしてしまう女性という展開から、つまり物語り自体で否定しているのです。それに共感を求めるというのは、その矛盾性すらも受け入れるということで、浮気をされようが何しようが受け入れろということになる。そもそも愛はただの隷属を生みだけです。もしこの物語を作った人がその矛盾性を見てほしいなんていったら、2度とその人の言葉は信用しません。都合が良すぎます。実際にこのような恋愛をしていたとして、共感するのでしょうか。私からいわれせばひきこもりが夢見る少女が、家の扉は開いているのに、ちょっと外を覗いて扉を閉めてしまったようにしか見えません。この物語には可能性はただひとつもありません。この物語は無意味、と断じてよろしいかと思います。
古厩監督監督は「この窓は君のもの」「まぶだち」とみてきて結構いい映画作る監督だとお見受けしている監督さん。こういう意味で映画自体はいいつくりをしていたと思いますが、これではただ仕事をしたイメージしかないですね。一時映画を撮れなくてヒモみたいな生活していたとも聞きますが、どうなんでしょうか。
評価 ★★☆☆☆
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