- 2009/08/15 15:49
- 映画

オリジナル・サウンドトラック まぶだち
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2000年「ロボコン」「この窓は君のもの」の古厩智之監督が実体験を基に描いたとされる一品。オリジナルということですね。出演は長野の飯山に1ヶ月籠りのロケということもあってか、地元の学生をオーディションして撮ったということ。なるほどこれっきりの出演者が多く、有名どころは光石研さんのみとなっています。って、光石研さんも知らない人は知らないか。そういえば光石研さんの代表作というとなんだろう、と考えてみると、やはり「helpless」ってことになるんですかね。主演でしたし。光石さんを知らない人に一応説明しますが、脇役が多いですがかなりの映画に出演している方です。任侠モノや岩井俊二作品や青山真治作品でよく見かけます。というかこの映画のプロデューサーに仙道武則さんのお名前が。古厩監督はhelplessで助監督をしてるんですね。仙道さんといえば監督の力量を肯定して、スポンサーとかに振り回されずに監督にオリジナル映画を全力撮りさせるプロデューサーのイメージがありますが、なるほどそういう映画にしあがっていますね。三石さんもその関係からでしょうか。もとい、仙道さんとはこれっきりみたいですが。
そんな全力撮り、言い換えれば監督のイメージを全開で表現したであろう本作。こういう類の映画はあまりイメージが伝わりづらくて敬遠されることが多いですが、私はとても好み。染み入るように観させてもらいました。出演は中学生集団、それにタイトルをみればどんな話かは容易に想像が付きますが、いわゆるありがちな青春映画ではありません。結局は青春という主題は変わらないんですが、三文判的なものでない主題の提示がまず好感的ですね。展開も面白いし、つまらないドラマにありがちな、いちいち説明をしなくてもしっかりキャラクターが立つように見える。脚本も撮影もきっと工夫しているんですよね。そして、音楽も質が高くて効果的。何も音がしない、無音部分と、田んぼの蛙の声、そしていわゆるミュージック。メリハリもとてもよかったと思います。思春期を単なる人格の形成や反抗とせずに、リフレクションや反動形成などの防衛機能から、まぶだちという仲間を思うところまで、しっかり練り上げられて表現されていたと思います。見る人によってはただ田舎っぽい映像が流れているだけに見えることもあろうかと思いますが、私には無駄な映像は1つもなかったと思います。文学的。
嘘に嘘を重ねる人間関係、人の真似をするばかりで何の思想ももたない孤独。自分は他人と違うと人を避ける心理。そんな人間が着かず離れず、まぶだちだったり離れたり。私はやはり神津サダトモか。
いい映画に出会いました。
評価 ★★★★★
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