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坂のある港町 尾道

「海が見えた海が見える。
四年振りに見る尾道の海はなつかしい。 」
本当の林芙美子の放浪記は五年です。というわけで2004年日本一周以来になる尾道でした。広島空港に着いて一旦広島市街地で原爆慰霊碑に寄ってから昼ごろに尾道に入り、2泊いたしました。尾道へは電車で入ったんですが、実際車窓から海が開けて尾道の街が見えるときは感動ものです。

2泊の間何をしていたかというと、港を、街を、そして坂をひたすら歩いていました。私の街を好きになるポイントに坂のある港町というのがあって、長崎や函館がそれに当てはまるんですが、実はこの尾道がきっかけ。4年前は滞在たったの3時間だったのですが、一目惚れですね。日本一周の後に各地を時間を取って再訪しているのも、この尾道のような街をゆっくり見たいというところが動機になっています。そんな再訪の旅のラストにここに来ることができて感慨一入です。

尾道は広島と岡山を本州西日本の中継地、そして四国へ繋がる海路の出発点として栄えた街で、戦争中も多くの軍需工場を抱えていたこの地域では幸福にも空襲がなく、街並がそのまま残されています。よって街は道が狭くて入り組み、迷路さながらなんですね。1本の路地にしても来た道を逆に歩いてみるとまったく違う道に見えたりします。これがなかなかたのしいんです。

尾道は海岸線から山までの距離が短くて、しかも坂が急なんですね。だから坂を上ると海を近いところから見渡すことができるいい景観を得ることができるんですね。特に千光寺から見る尾道の街並と尾道水道、その対岸の因島とその先に連なっていくしまなみ(山並になぞって島並)という光景は見事の一言。その写実さに惚れて、尾道では多くの著名な画家がここで絵をかいていたり、または小津安二郎や大林宣彦監督の映画のロケ地や文学の舞台となったり、さらには俳句としてその景観が詠まれたりと、芸術色ある街でもあります。その芸術の心は著明な芸術家だけでなくて、ふつうに街の方々が至るところでキャンバスを建てて絵をかいているという光景が見られるのもここ尾道ならでは。

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