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ビルマの竪琴(1985)


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1985年。竹山道雄の同名原作小説を、市川崑監督が映画化。1956年に同監督によって作られた同名映画「ビルマの竪琴」のリメイク作品となります。主演の隊長に石坂浩二。水島上等兵に中井貴一。川谷拓三、小林稔侍、浜村純、北林谷栄、菅原文太。1956年版と比べるとまだ顔馴染みのキャスティングですね。1956年版に続いて出演しているのが浜村純、北林谷栄。北林谷栄さんは同役で出演ですが、画面が白黒からカラーになったせいなのか、まったく変わっていない、むしろ若返ったのではないかと錯覚します。前作から30年も経っているのに。浜村さんは伊東軍曹から村長へ。ビルマ人になりました。川谷拓三さんはなんか久々に見れてなんかほっとしました。

物語については1956版のオリジナルのほうで書いたので割愛。内容から展開、カメラのカットまでほとんど同じ。多少のセリフの入れ替えなどで物語の理解度を上げようとしている程度でほぼ同内容です。敢えていうなら白黒からカラーに変わったのがこの作品の一番のメリット。テクニカルな問題ですね。これは見た目の問題であまり物語の良し悪しとは関係ありませんが、やはりカラーは細部までしっかり読み取れる。物語の理解度が進みます。映画は物語を感じるのは心でもその視覚的な、見るということがどれだけ重要か分かった気がします。これは単純なカラーのお話ですが、撮り方とかアングルとかで変わりますものね。私は白黒のオリジナルから見たので、あの時代の技術の進歩を目の当たりにした気分です。これはすごい。今は3Dなんてありますがね、まだ3D映画は見たことないんですが、どうなんでしょう。

昨今リメイク作品が多いのですが、これはまたむずかしい問題ですね。この作品に関しては同じ監督が、しかも全く同じように撮りなおしている。その時代の俳優で撮りなおすってのは意味があるのかどうか。市川監督はこれ以外にも犬神家の一族を同じ手法でリメイクしていますが、テクニカルな問題はともかく、2度見る者にとってはちょっと無意味ですね。もちろん大きな改変をすればいいかというとそうでもないことはこのごろのリメイク作を見ても明らかなわけですが。もっともこれは原作と映画化という関係そのものにも言えるわけで。ある作品について初めて触れる人には問題がないのですが、特にファンのような人は何度もこの作品に触れるわけです。ビルマの竪琴でいうと原作、オリジナル映画、リメイク映画と3回も触れるわけですね。そう考えるとやはり「より楽しく」してもらいたいなと思う次第です。

ちなみにですが、オリジナルとリメイクどちらがよかったかといわれれば、それはオリジナルですね。何せ同じ映画ですから、先に見たほうが感動が大きかったです。ただ理解度はカラーのリメイクのほうが増すと思います。でも白黒は味があるんですよね。「ビルマの土はあかい、岩もまたあかい」ってのは白黒だとどんな赤色なのか想像させてくれるんですよね。でリメイクのカラーでそのビルマの赤が見れるわけなんですが、実はがっかりしてしまいました。画像調整しているのもあるのですが、実際に見せられると興ざめするものですね。死者の魂のルビーも白黒では白く目映く光っていましたが、カラーだとただのルビー。結構良し悪しが出ます。想像したり思索に入るのも映画をよむのに大事なことだと思いますので、もしかしたら便利になるというのは想像力を失うことなのかもしれません。

評価 ★★★☆☆

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